声優って憧れる職業ですよね。
皆さんの中でも声優を目指した人、目指している人っているんじゃないでしょうか。
アニメ関係の仕事の中でも、何になりたいですか?という質問があれば「声優」という答えが返ってくる数は他の物よりも多いのではないでしょうか。


「制作進行」「プロデューサー」になりたいってあんまり聞かないですよね。

声優になりたい人の志望動機は?

では、数あるアニメ関係の職業の中から声優になりたいという人はどういった理由で目指すのでしょうか?
自分の周りとネット上の意見から次の理由が比較的多い事が判明しました。

・声の演技なら自分でもなれそう。(→絵は才能がいるから無理。制作進行等はブラック過ぎて嫌。)
・見ていたアニメの○○というキャラが素敵で、憧れて。
・声優の○○さんの声や演技に影響を受けて。
・声優になると大きく補正がかかるので非モテの自分もモテると思った。
・アニメが好きだから。

なんか客観的に見てると「うぅー・・ん」っていう内容ばかりですよね。
でも、これが現実ですし、こういう志望動機になるって当たり前だと思います。悪いことではありません
どんな仕事でもそうですが、最初のきっかけって凄く弱い物だったりします。最初からとんでもない使命感を抱いている人なんて殆どいないと思います。

それこそ、松下幸之助や孫正義、稲盛和夫等の日本を代表する起業家やベンチャー社長など起業する人達がそういう使命感をもっている人のメインストリームではないでしょうか。
何かの職業に「就く」という人は個人が受けた影響にふわっと乗っかった願望が動機になるのが当たり前の事です。

声優の人達の志望動機は?

では、実際に声優となり活躍している人たちの志望動機ってなんだったのでしょうか?
wikiを始めとして、ネットでの情報をチェックしてみました。

林原めぐみ
就職活動中、面接を受けた企業の受付の態度に激怒。その帰り道に立ち寄った本屋で漫画に載っていた声優オーディションの広告を見た。イライラしていたので勢いで応募し、見事合格。
つまり、志望動機というのはなかったとも読み取れます。が、勢いが大事だという事も同時に示してくれています。

川澄綾子
はなきんデータランドの声優特集を見て声優になる事を決心
高校在学中に代アニの未来を育てるオーディションにて優秀賞を取り、1年間無料で代アニに通学。
短大卒業後にSMEのオーディションと大沢事務所のオーディションを経て大沢所属。
川澄さんの志望動機は先に述べた多くの動機と同じくふわっとした所から始っています。そして、オーディションにて優秀賞をとり現役で活躍している事からも、才能とマッチしたという所ですね。
それに加え、川澄さんのデビュー時のイベントの振舞い等を実際に見てきた者として彼女は凄い努力家でファンサービスの出来る人でした。

水樹奈々
演歌歌手を目指して愛媛から上京。高校に通いながら演歌の内弟子生活をしていた。が、しかし事務所が倒産の憂き目にあいデビュー出来ず。しかし、そのまま夢あきらめて実家に帰る訳ではなく代アニに通い、その後声優デビューを果たす
最初は声優を目指していたわけではなく、歌が大好きで歌手になる事を目指していた水樹奈々。多くの人がそうであるように最初はうまくいかなかったみたいです。そこで、彼女が見出したのが自分が好き&今まで蓄積した歌の力を活かす事が出来る延長線にある声優という職業でした。やはり、ここも努力と才能、そして諦めない事が大事だと教えてくれています。

阿澄佳奈
小学生の時に、生まれて初めて自分の声を聴いた。が、その自分自身の声にショックを受け、声にコンプレックスを抱いてしまう。中学生の時に声優がパーソナリティを務めるラジオ番組を聴き始め、声優なら自身の声を活かせるのではないかと感じ、声優という職業に興味を抱き始めた。
阿澄佳奈は自分のコンプレックスというマイナス要素を、声優のラジオ(アニラジ)との出会いにより自分が短所と思っていた部分を長所と180度考えを切り替える事で声優という道を見出しています。

他にもあげるときりがありませんが、声優になるきっかけは様々だというのがよくわかります。

志望動機はふわっとしてて良い。

今まで見てきたとおり、プロの声優でも始まりは一般的に見て弱い志望動機ばかりです。
本気で声優になるつもりで取り組んできたという訳でもないが才能でなっちゃう人もいれば、別の夢を持っていたが叶わなかったが諦めずにその道とそうずれていない道で進んでいこうと決めた人もいます。そして、学生時代にアニメが好きだったからという動機だけでもしっかりとプロになっている人もいます。
ですので、今現在声優を目指している人でも自分の動機は「ふわっ」としていると落胆する必要はありません。

声優になるには才能か、努力が重要。

身も蓋もありませんが、ここに集約すると思います。
では、才能とは何か努力とは何かという話になりますが簡単に分けて次の通りだと言えます。

才能とは

・声質
・演技力
・感性
・身体能力
・頭脳
・人に好かれる生まれつきのセンス
ざっくりいうと以上です。
この部分に関しては努力で追いつけるラインの限界があります。見えない壁とでも言えるでしょうか。
わかりやすい例を持ち出すなら、自分が低い声の渋いキャラを演じたいと思っても地声がとても高ければそれは叶いません。また、感性についても人の生まれ育ってきた環境で大きな違いが生まれます。何かの事象に対してどう感じてどう反応するか、その際に生まれる感受性の豊かさ、貧しさはその個人に大きく依存し、演技力に直結します。
身体能力や頭脳はいうまでもありません

努力とは

まずは、現実を理解するところから始まります。自分は一体今どんな存在なのか、何ができて何が出来ないのかをしっかりと認識します。紙に書き出してみるといいかもしれません。
そして、自分が目指すゴールはどこなのかを決めます。具体的なイメージがわかなければ、今現在活躍している声優さんについて徹底的に調べて、そこをゴールにするのもいいと思います。
この下地があってからの努力です。ゴール(目的地)が決まっていない段階で、むやみやたらに何かを始めると万年芽が出ない存在になってしまいます。ここがふわっとスタートしたけど、最後にデビューして仕事を取れていけるか行けないかの大きな差になってきます。

具体的な努力については、あまりに細部にわかれていてブログでは書ききれませんので割愛します。ただ言えているのは声優になる為には、普通の人はネットの情報だけでは不十分です。

努力をするには、日常的に出来る努力と、その努力をするために必要な施設や人というものが存在します。

声優を目指す人が多い中、勝率を高めるには

あくまで、声優としてデビューするまでの話で、勝率(事務所仮所属)を上げる方法としてお話します。
 

1.養成所に入る(専門学校は遠回りなのでやめる)

専門学校に何年も通うよりも、養成所に入った方が事務所直付きなので声優になれる確率はぐっと上がります。有名どころだと日ナレや青二塾ですね。それぞれ校風があり、日ナレは緩め、青二塾は厳しめです。
実体験から話をすると、2年間養成所に通うと想定します。入学時に100人程度同期がいたとして、卒業時に残っている同期は30~50人程度です。そして、直付きの事務所から声掛かるのは0~3人程度です。

2.コミュニケーション能力を徹底的に高める。

どの業界でもそうですが、人たらしが勝ちます。これは間違いありません。意外かもしれませんがこのコミュニケーション能力を高める努力が、一番大きな結果を生み出します。

具体的には養成所の生徒の中でも積極的に会話をし、全体の空気を良いものにします。例えば生徒Aと生徒Bが同じ教室にいてるのに初対面の挨拶以来、数ヶ月間コミュニケーションを取っていないのなら自分がハブになってつなげます。ここで、悩む要素が出てきます「そんな事して自分は空気を読めない奴じゃ」という物です。プロになろうと思ったら、空気を読むんじゃなくて空気を自分の良いように作り変える力が必要です
男性声優で杉田智一や若本規夫、女性声優でも林原めぐみや緒方恵美はどんな空気でも自分の空気へと引っ張り込む事がうまいです。ラジオやイベントを見ているとそれは納得してもらえると思います。

また、これが専門学校ではなく養成所を進める理由の一つなのですが、関係者への評判もコミュニケーション力が物を言います。養成所の事務員なんて所詮事務員、権限も何もないって思っていません?よく考えて下さい。養成所運営している会社はどこでしょうか?事務所の人とのハブ的役割を担うのは誰でしょうか?先生はプロの声優じゃなくて劇団系の方が多いですがその繋がりってどうやって生まれてると思います?
答えは言わなくとも、誰にどうコミュニケーションをとっていけばいいのか、そしてその理由はわかると思います。

3.声優になる、以外の道を用意しておく。

これは、声優になれる確率(1%以下)を考えれば当然の保険ともいえます。
が、それ以上にいろんな世界の色んな常識や慣習、そして人間関係を知る事で演技の幅が広がります。
これが感性、演技力、身体能力、頭脳、コミュニケーション全てを高める一番効果的な努力となります。意外かもしれませんが、そういう物です。
特におすすめなのは、接客業もしくは営業職です。これは人との関わりあいが非常に強く一番必要な力を身につけることができます。注意が必要な点は、時給仕事になるので「この程度しか給料がもらえないから、仕事は一生懸命しなくていい」という発想です。これは実は大敵で、この考えでいると先ほどの能力に対してマイナスになります。養成所や専門学校に通うお金をドブに捨てます。

アルバイトでも契約社員でも社員でも「自分が最もお客様からの評価の高い人間になる。」というスタンスで笑顔を絶やさず最高の接客や営業活動を行うようにして下さい。事務系の仕事はおすすめはできません。社内だけで仕事をしていると余所との関わりが少なくなり、余程強い意識を持っていないと内向きな人間になってしまいます。中小企業の経理や事務のお姉さん(30代以上)を見ているとなんとなくわかって頂けると思います。勿論みんながみんなという訳ではありません。あくまで割合的な話です。

みんなどんどん声優を目指そう!

みんなどんどん声優を目指しましょう!
ガーリッシュナンバーでも言われているように「この業界はどこかおかしい」ところです。
なので、どんどん声優を目指して狭き門からあぶれていきましょう。
そして、そこでこう考え直してほしいんです。
「あれ?これって自分が事務所立ち上げた方がまともな経営出来るんじゃねえ?」
そう、それはきっと間違っていません。業界に穴を空ける事が出来る人がもっと増えていいと思います。
そもそも、声優を直接雇用せずに個人事業主への業務委託みたいな形にしておき、仕事が無いからと給与も払わず生活を困窮化させ、そのくせ契約書で縛って自由をさせない上にアルバイトさせてるっておかしくないですか?
しかも、声優事務所って東京だけにしかなくないですか?そんな産業、他の業種でありますか?

業界の変革者が現れる日はいつかくるはずですし、それはあなたかもしれません。
以上、なんかちょっと変な方向にいく記事でしたが声優を目指す皆さん頑張ってください!

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