2014年夏に公開された作品「ばらかもん」。
その後、スピンオフ作品の「はんだくん」もアニメ化され公開された。
主人公の半田清舟が東京を離れ五島列島に移り住み書道の道を進んでいた。誰ともかかわらず一人で生活をしたいと望んでいたが、本人の意思とは関係なく島の人々と関わる機会が非常に多い生活となってしまう。
勿論、半田清舟自体は島民たちとの関わりに喜ぶわけでなく、相当に翻弄されて困惑してしまう。
しかし、その人との関わりが半田清舟の成長と書道への取り組み、出来あがる作品に大きな変化を与える。
本作は、主人公の成長と人との関わりの大切さ、そして自然の美しさを描いています。
島の雰囲気がとても良く、ヒロインの女児なるがずっと笑顔&元気なのも視聴者をひきこむ要素の一つです。
この時期に多かった主人公最強系の傾向とは逆に才能はあるけど、人として書道家として少々出来そこないであったというのも、他作品とは味付けの違ったテイストを感じられた人も多かったのではないでしょうか。
島の住民達も性格の悪い嫌な人はおらず、個性はあれどきさくで優しい人ばかりで気持ちよくみる事が出来る作品だったと言えるでしょう。
系統としては日常系の雰囲気になるのですが、安易なキャラのかわいさや寒いボケのゴリ押しなんかはありません。ですので、よりリアルな感覚で見れる作品です。
現代の「個人主義」に対するアンチテーゼ作品として見るもよいかもしれません。結局のところ、人は人との関わりがあって成長する事ができる。というメッセージが深く込められていると思われます。
実は人と関わる事で心的負担を軽減できる、関わるのは助け合いで当たり前と皆が意識すれば、現代で言われる人づきあいによる疲弊が和らぐのではと思わせてくれる作品であり、今の時代に疲れてしまっている人が見ると何か気付きがあるかもしれません。
一番そう感じる事が出来るのは、島の人の名前で石垣をしっかりと組み、互いに支えあい助けあってみんなの崩れない人間関係が描かれていた所です。
都会の生活につかれたり、人とのかかわりに疲れた方は一度本作を見てみると何か解決策が見えるかもしれません。