吹奏楽を題材とした、女子高生たちが頑張る青春アニメ。
それが、2015年春に公開された作品「響け! ユーフォニアム」です。
京都アニメーションが手がける作品という事で、その作画への期待は高くそしてその期待に見事こたえる作品でした。
よくある部活ものかといえば、確かにそのとおり。
なのですが、そこは京都アニメーション。魅せ方がやはり素敵です。単に吹奏楽部でみんな頑張るぞ、おー!というものではなく、そこに所属する女子高生達の個々人の生き方や人間関係、葛藤などの心理描写が秀逸でした。
吹奏楽部内のみんなのそれぞれの立場からの発言や行動、それに対する反応など、よく練られた脚本だと感じました。
アニメでよくあるのが、作画の枚数を減らすためにキャラクターの動きや微妙な反応はすべてセリフと声優に任せてしまうという物ですが、本作品はそれだけに甘んじる事無く、目の動きや表情・ちょっとした仕草や等でより深い心理描写を表現していたと思います。
私自身は吹奏楽部というものがどういうものか、実体験として持っていません。それでもありありとキャラクター達が見ている情景や戸惑い、ああきっとこういう事があるんだろうなと強く共感出来る演出のオンパレードでした。
特に個人主義が台頭している昨今でも、吹奏楽は皆の連携・協力がなければ成り立ちません。そういった価値の大事さと難しさを伝える物としても非常に良い作品だったと思います。
同じ京都アニメーションの手がけた作品で音楽関係の物と言えば「けいおん!」が有名ですが、こちらののほほんとした雰囲気とはまた別モノの作品です。